欧州肝臓学会(EASL)と他の団体は、非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)と非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)などの脂肪性肝疾患の名前を変更しました。これは、”alcoholic”が「飲んだくれ」、”fatty”が「太っちょ」という意味でとらえられ、印象が悪いからです。新しい名前では、脂肪性肝疾患を「steatotic liver disease(SLD)」と呼び、従来のNAFLD,NASHはメタボリック症候群の基準の一部を満たす場合に限定して,「metabolic dysfunction associated steatotic liver disease(MASLD)」、「metabolic dysfunction associated steatohepatitis(MASH)」と診断することになりました。また、アルコール性肝疾患は「alcohol-associated (alcohol-related) liver disease(ALD)」、飲酒量がアルコール性肝疾患とNAFLDの中間でメタボリック症候群の基準の一部を満たす場合は「MetALD」、NAFLDでメタボリック症候群の基準のいずれも満たさない場合は「cryptogenic SLD」、薬物性、Wilson病などに起因する場合は「specific aetiology SLD」と診断されます。
日本肝臓学会もこの変更に賛成し、新しい名前に従ってガイドラインを改訂する予定になっています。日本肝臓学会からのお知らせ
当ホームページにおいては、当面は従来の名前のまま記事を残しますが、新しい名前が一般的になれば、記事内の名前を変更していく予定です。