非アルコール性脂肪肝炎におけるFGF21アナログ(ペゴザフェルミン)のランダム化対照試験

線維芽細胞増殖因子 (FGF21) アナログpegozafermin(ペゴザフェルミン)は、 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)および重症の高トリグリセリド血症の治療薬として開発中です。 NASH患者に対する有効性と安全性が二重盲検無作為化プラセボ対照第IIb相試験ENLIVENで検討されました。

肝生検でNASHが確認され、 肝線維化ステージF2またはF3の患者が、以下の群に無作為に割り付けられました。

ペゴザフェルミン 15mg群:週1回 皮下投与
ペゴザフェルミン 30mg群:週1回 皮下投与
ペゴザフェルミン 44mg群:2週に1回 皮下投与
プラセボ 週1回投与群:週1回 皮下投与
プラセボ 隔週投与群:2週に1回 皮下投与

主要評価項目は以下の2項目です。
24週時点でのNASHの悪化を伴わない線維化の改善
24週時点での線維化の悪化を伴わないNASHの消失

結果
肝線維化が改善した患者の割合
プラセボ群:7%
ペゴザフェルミン 15mg群:22%
ペゴザフェルミン 30mg群:26%
ペゴザフェルミン 44mg群:27%

NASH消失を達成した患者の割合
プラセボ群:2%
ペゴザフェルミン 15mg群:37%
ペゴザフェルミン 30mg群:23%
ペゴザフェルミン 44mg群:26%

ペゴザフェルミン療法に関連した最も一般的な有害事象は、 吐き気と下痢でした。

この第Ⅱb相試験では、 ペゴザフェルミンによる治療は肝線維化の改善につながりました。 今後、ペゴザフェルミンの第Ⅲ相試験への進展が期待されます。

R Loomba et al. N Engl J Med 2023;389:998-1008.